先日、茨城 病院協会から原稿依頼をうけ、改めて当法人の紹介文を作成する機会を頂きました。山王台病院の病床拡張の変遷や、石岡地域医療の中核病院としての当院の役割、また法人組織内全体の病院と介護施設との連携、さらに超高齢化社会に対するこれからの展望等まとめてみた内容になっております。 私の思い が詰まっております。以下ご一読いただければ幸いです。
【はじめに】
山王台病院は1967年(昭和42年)石岡地域の中核病院として開設されました。その後、種々な経緯で1999年(平成11年)病床を増床し52床となり、また、附属の眼科内科、第一・第二クリニックを開院。その後、石岡市立医師会病院の閉院に伴い、その後一般病床及び療養病床を統合し、附属クリニックを含めて、現在191床の急性期・総合病院となりました。統合後は、専門医療のみならず、特に救急搬送患者様の満床によるお断り数も減少し、更に多くの患者様を受け入れることが出来るようになりました。
石岡市は、かつて政治・文化の中心地として国府が置かれていた様に、茨城県のほぼ中央に位置し、近隣地域はもとより都内からの交通のアクセスにも優れ、水戸および土浦・つくば市の間にあるが、一つの生活・文化圏を形成しています。そのため、行政の区割りである医療圏とやや乖離しており、石岡市を中心に近隣の、小美玉、かすみがうら、行方、笠間、鉾田、桜川市等の医療を主に担っております。出来るだけ早い対応が要求される救急医療はもとより、生活圏の中で高齢者が通院可能で、また入院治療が必要になった場合でも、ご家族の面会や病状の変化に対する対応、また退院後の継続治療を負担なくサポートできるよう考えております。
【地域で完結する医療を構築し、高い専門性を追求しながら全人的診療を目指す診療】
診療の特徴としては、入院及び外来も主治医制とし診療科の壁を壊し、診療科の各専門医と密に連携を取り、責任をもって全人的に患者様の病状を把握し、早期診断、早期治療を持続可能とすることを基本方針としております。
診療科目としては、内科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、内分泌内科、腎臓内科、脳神経内科、人工透析内科、外科、呼吸器外科、心臓血管外科、消化器外科、乳腺外科、気管食道外科、肛門外科、整形外科、脳神経外科、腫瘍外科、内視鏡外科、小児科、皮膚科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、リウマチ・膠原病内科、血液内科、婦人科、甲状腺内分泌外科と充実化に努力を重ねて参りました。
【認定施設・専門医について】
二次救急指定医療機関、労災指定医療機関、生活保護指定病院、難病指定医療機関、胃がん検診精密検査医療機関、大腸がん検診精密検査医療機関、肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業、肺がん検診精密登録検査医療機関(連携型)、乳がん検診登録精密検査医療機関、乳がん検診登録健診機関、 日本外科学会外科専門医修練施設、日本消化器内視鏡学会指導連携施設、日本透析医学会教育関連施設、日本認知症学会教育認定施設、日本消化器外科学会認定関連施設、日本乳癌学会関連施設
日本内科学会総合内科専門医、日本神経学会専門医、日本認知症学会専門医
日本抗加齢医学会専門医、マンモグラフィ読影認定医、小児科専門医、日本口腔外科学会認定医、日本眼科学会認定専門医、水晶体囊拡張リング認定医
ボトックス認定医、日本内科学会認定医、身体障害者申請指定医(肢体不自由)、日本外科学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、日本消化器外科学会専門医、日本消化器病学会専門医・指導医・評議員、日本内視鏡外科学会技術認定医・評議員、日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医、日本臨床外科学会評議員、日本整形外科専門医、日本透析医学会専門医、日本大腸肛門病学会指導医・専門医、呼吸器外科専門医
人間ドック健診専門医、日本医師会認定産業医、日本心臓血管外科専門医、日本頭痛学会専門医・指導医、日本脳卒中学会専門医、脳波専門医・筋電図専門医、日本血液学会指導医・専門医、日本胆道学会専門医、日本耳鼻咽喉科専門医・指導医、日本気管食道科専門医、日本頭頸部癌専門医、日本脳神経外科学会専門医、日本神経学会認定神経内科専門医、日本乳癌学会専門医、日本整形外科学会リウマチ専門医、日本泌尿器学会指導医、日本心血管インターベンション専門医、米国心臓病学会正会員
米国内科専門医認定機構(内科専門医 循環器科専門医 心血管インターベンション専門医)、日本動脈硬化学会専門医
県南東医療提供圏域調整会議委員、土浦地域医療構想調整会議委員
【医療・設備機器について】
前述の専門医療を確実に行うために、世界最高水準の高度医療機器の導入に至りました。それに伴い患者様への貢献はもとより診療医のストレスを軽減して正診率を高める努力をしております。現在、当院では、256列マルチスライスCT(Philips Brilliance iCT Elite)、3T-MRI(Philips Ingenia ElitionX)、血管造影X線診断装置(Philips Azurion)、腹臥位穿刺用マンモグラフィ(ホロジックSelenia Dimensions)、高感度内視鏡システム(オリンパス EVIS X-1 CV-1500、富士フィルム LASERED EP-8000)・FNA超音波内視鏡、その他、超音波、人工透析装置、3Dディスプレイ手術システム、その他様々な高性能医療機器を整備しております。
【専門医療のセンター化・地域連携、人間ドック・健診センターについて】
人工透析センター60ベッド、胆石症、リハビリテーション、外来化学療法、救急センター、ハート・ブレインセンター、歯科・口腔外科センターを設け患者様に役割をわかり易くしました。
また訪問看護ステーションさんのうだい を平成28年12月に開設し、周辺の診療所と連携し、訪問診療を行い、在宅医療を推奨しております。
その他、2025年3月より石岡共立病院より引き継いて、人間ドック・健診センターを設け、人間ドック、脳ドック、生活習慣病予防検診、特定検診、婦人科検診、その他(企業健診・一般健診・特殊健診等)を行っております。石岡周辺地域では一施設であり市民の健診を担っております。
【救急医療・石岡地域休日緊急診療センターについて】
24時間救急センターとして、3市(かすみがうら 小美玉 石岡)救急輪番制をはじめとし、その他 土浦 麻生 鹿行 笠間 茨城町等の消防本部より救急搬送を受け入れております。直近の1年間実績は、2268台(2024年11月~2025年10月)、平均応需率81%になります。2025年の増床より特に応需率が上昇しております。
また、365日24時間救急診療に加え、いままで持ち回りであった石岡市地域休日緊急診療センターを、行政からの依頼を受け、全面的に当院でお引き受けする事になりました。特に感染症の流行時には100人を超える患者様の対応を行い地域医療に貢献しているものと思われます。
【業績について(2024年11月~2025年10月)】
手術件数
手術件数(眼科除く):1203件
合計1203件うち鏡視下手術(腹腔鏡下・内視鏡下手術)の割合は、食道60.0%、胃96.8%、胆嚢92.9% 大腸77.4%になります。また全身麻酔率は65.5%でした。
眼科手術件数:3445件
合計3445件うち白内障手術(2147)網膜硝子体手術(504)緑内障手術(287)その他(178)レーザー手術(329)と極めて多くの手術治療を行っております。
内視鏡件数:7136件
合計7136件(上部内視鏡件数4799件、下部内視鏡件数2230件 ERCP107件)。うち治療内視鏡件数は上部・下部合計772件(ポリペク746件、ESD22件、EMR9件)。
冠動脈造影件数:432件
合計432件うち心臓血管カテ―テル治療を254件、また緊急心臓カテーテルは、107件に至りました。多くの冠動脈患者の救命に寄与したものと思われます。
外来件数:外来延患者数172,315件(月平均14,360件)
入院件数:入院延患者数61,688人 病床稼働率102.2% 平均在院日数 11.2日
人間ドック件数:開設時R7年4月から10月末まで合計4215件
人間ドック(353)、脳ドック(51)、生活習慣病予防検診(1601)、一般健診(2108)、特定検診(102)
【顕著な少子高齢化社会の中で、安心して豊かな生活を送るために、医療施設と介護施設をエリアに集約した山王台メディカルケアタウン構想】
上記した専門性の高い医療の実現と救急医療の充実に加えて、もう一つの当法人の特徴としては、現在の高齢化社会における街づくりの提案です。
(図1)山王台病院および附属眼科内科クリニックの医療機関を中心として、その周囲150m以内に老人・障がい者介護および通所リハビリテーション施設を整備し、急性期から回復期更に慢性期医療に加えて介護・リハビリテーション施設の提供と切れ目のなく、安心して暮らしていける街づくり構想を実現したところです。当法人運営する介護施設は、下記の6施設で、病院と合わせて410床となります。
介護老人保健施設あいあい(100床)、特別養護老人ホームようよう(60床)、小規模多機能型居宅介護事業所たなごころ(9床)、サービス付き高齢者向け住宅カーサ・フェリーチェ(30床)、障がい者共同生活援助事業所うきうきハウス(20床)、障がい者・人間・生活・労働・社会参加サポートセンターうきうきマイスターとなっており、相談窓口として指定居宅介護支援事業所あいあい、石岡市在宅介護支援センターあいあい も併設しております。
今後、更に、一つのモデルケースとして石岡市地域全体として、医療・介護施設を中心とする生活圏、街づくりを模索しています。
【地域の医療、介護、そして雇用を支える】
こうした、医療、介護の各分野を支えるスタッフの人数は、グループ全体で合計648人。内訳として常勤医師(27)、非常勤医師(52)、看護師(176)、薬剤師(6)放射線技師(13)検査技師(9)臨床工学士(14)理学療法士(20)作業療法士(4)言語聴覚士(4)機能訓練(2)視能訓練士(7)サポーター(63)歯科衛生士(3)管理栄養士(9)社会福祉士(2)介護福祉士(53) ケアマネ(5)ヘルパー(46)補助・支援員・世話人・パン製造販売員(53) 事務・運転手(80)に上ります。
超高齢化社会に突入している現在、更に高齢化が進むにつれ、今後危機的状況が予測されます。極めて近々に当法人としても高齢者住宅等の拡充を計画しており、医療と介護・福祉、介護予防、生活援助が更に相互に連携できるよう行政ともタイアップしながら進めて行きたいと思います。
【今後の展望】
人口減少が著しく進む中、2050年ごろまでは、高齢者が増加し、医療需要は現状のまま横ばいと思われるが、医師やその他スタッフ不足が顕著化すると思われ、東京からのアクセスの更なる強化や、地域活性による人口減少対策が急務と思われます。その後は、地域医療・介護のニーズの減少により、その役割は大きく変わることが予想され、その地域に特化した運営を模索する必要があると思われます。

