第70回日本臨床外科学会

11/27〜11/29に開催される日本臨床外科学会の抄録を応募致しました。

演題名   食道胃逆流症に対する鏡視下噴門形成術112例の検討
          ―手技の確立を目指してー

演者 
 幕内 幹男

共同研究者

山王台病院
笹屋 昌示、佐々木 健、室伏 雅之、上道 治、高橋 愛樹 

昭和大学藤が丘病院外科
 北村 陽平、白畑 敦、梅本 岳宏、日比 健志、真田 裕

東京慈恵会医科大学附属病院消化管外科
 柏木 秀幸

抄録
我々は、最近9年間で112例の胃食道逆流症に対して鏡視下噴門形成術を施行した。
対象は、男55女57例、22〜83歳平均52.2歳で、逆流症状のアンケート問診票(Fスケール変法)の高スコア、PPI抵抗、巨大ヘルニアに伴う心肺機能障害例などを適応とした。
術式は、Toupet法111例、Nissen法1例で、ポイントはwrappの長さや程度及び裂孔の適度な縫縮と、gastropexyによる滑脱の防止等にあるが、術後早期のつかえ感と長期的に診たwrappの緩み及び短食道例の胸腔内への引き込みである。
合併症は、皮下気腫4、気胸4、脾被膜出血2、胃チューブの縫着1例で開腹移行はなかった。手術時間は107〜358分平均175分、術後入院期間は3〜21日平均8.7日であった。
症状の改善をスケール・スコアによって評価すると、術前平均22.4に対して術後3.8と極めて改善が得られた。しかし、術後初期のつかえ感5例に対して1〜2回の内視鏡的バルーン拡張術を、術後数ヶ月を経過した後に5例にPPIを一時的に再開、1例に継続投与を行なっている。またクル病合併短食道例にヘルニアの再燃を認めた。
同術式は、症例の積み重ねによって確立しつつあるが、術後早期のつかえ感と逆流症状の再燃のバランスに尽きると思われ、つかえ感は若年、再燃は高齢者に多い傾向にあった。
術式には年齢、体格、短食道例などを考慮した個々への工夫が必要と思われ、更に適切な術式の確立について検討して報告したい。

演題名     食道アカラシアに対する鏡視下手術の検討
演者 
 笹屋 昌示

共同研究者

山王台病院
幕内 幹男、佐々木 健、室伏 雅之、上道 治、高橋 愛樹 

昭和大学藤が丘病院外科
 北村 陽平、白畑 敦、梅本 岳宏、日比 健志、真田 裕

東京慈恵会医科大学附属病院消化管外科
 柏木 秀幸

抄録
食道アカラシアの病名は広く知られているが稀な疾患であり手術の経験が少なく今までは手術治療は敬遠がちとなり、内視鏡的拡張術での治療をfirst choiceとされているが、再発率も高く現在では鏡視下手術が選択されてきている。その理由として、消化管吻合を伴わないことによる安全性が高いことに加え、視野展開が良く,鏡視下胃手術の経験者が増えてきており噴門部操作の熟達が増した点が挙げられる。しかし、手術操作自体が症状に直結するため手術を導入することは躊躇することもある。当施設においては現在にいたるまで胃食道逆流症に対し積極的に鏡視下噴門形成術をおこない112例を経験し良好な成績が得られており、最近6年間で食道アカラシアに対し鏡視下手術の導入がスムーズに行われHellor-Dor手術8例を経験している、男 2:女 6例,age16~56y(平均33.6)、X線分類では全例グレードII以上、前治療として内視鏡的拡張治療は3例におこなっていた.手術は食道側7cm胃側2cmにmyotomyにDor-wrappingをおこなっている。粘膜損傷例あるも術後合併症はなく、術後在院日数は5~16日(平均8日)であった.全例に著名な症状の改善が得られ、手術前後にアンケート問診票を行うことによりスコア化し客観的評価が得られた。手術操作は噴門部・下部食道の剥離とmyotomyが細心の注意が必要と考え噴門形成術と対比することでより明確に報告できればと考える。

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