昨日は第215回茨城外科学会にて「上腸間膜静脈浸潤膵頭部癌に対する一切除例」を発表してきました。討論ではたくさんの質問を頂き、とても盛り上がり、また勉強になりました。
今日は、今週末にある第9回茨城県南手術手技研究会のビデオ編集から今戻ったところです。
明日は月曜日。朝6時〜仕事です。外来・手術・検査と頑張ります[:!:][:嬉しい:]
朝6時30分からがんばってます
明日、2例目のアバスチン・FOLFOX4を行います。1例目の方の副作用等はありませんでした。アバスチンの効果に期待しています。
今日は、胃静脈に対してハッサブ手術を行い、無事終了しました。肝硬変・胃静脈瘤にはやはり適応を選ぶ事によってハッサブ手術は有用です。また、脾摘によって肝血流量の増加を期待できると文献的にもいわれていますので積極的に適応を考えたいと思います。
介護「お世話」が保険制度となった時から
私は外科医であるが、なぜか4年前に介護保険の中心的位置付けとなる「介護老人保健施設」(老健)を運営することとなった。いわゆる慢性期医療は、外科の対極に位置するものと考えていた。しかし、いつからか手術を受ける患者の高齢化が進み、今では、90歳以上でも手術を受けていただくこととなった。
すでに介護が必要となっている老人も当然「見殺し」にはできず、極めてハイ・リスクということである。従って、術後に日常生活動作(ADL)が低下し、介護度が上昇する。つまり、高齢者に対する急性期医療は介護を継続しつつ、術前よりリハビリを、術後はできるだけ早く通常の生活に戻す必要がある。このためには現状の医療では不充分であり、私は老健の必要性をそこに求めたわけである。しかし、介護施設には介護施設たる役割があるはずで、設立に当りいくつかの老健を見学させていただいた。どの施設もゴールドプランとやらで、そのハード面においてはむしろ病院より立派なもので、洒落た建物と介護機器が揃っていた。
医師過少政策によって殺された小児科医
先日、立正佼成会病院小児科の中原利郎医師の殉職に対して、過労死の判決が下されたことは記憶に新しいと思われるが、なんと一部のメディアは同医師を「病院に殺された小児科医」と報道した。この表現は無知極まりなく、かつ現場を知らずして書いた記事として甚だ不適切である。
約十五年前、医師過剰時代が来ると、医学部定員を減らした厚生省(当時、現厚生労働省)の失策は愚かであり、それによって中原先生が殺されたことは明白である。それを、この場に及んでメディアまで「病院に殺された」とはあまりにも無知過ぎる。
殉職とは職責のために生命を失うことであり、しばしば警察官や軍人に使われるが、彼は殉職に間違いなく、立派な最後を迎えたと私は頌辞(しょうじ)を奉げる。最近の話題として、高校必修科目問題の責任を取って自殺した佐竹高校(常陸太田市)の校長先生も同様に殉職であり、私は日本人の倫理観として絶賛すべきものであると思う。
今日は
今日は午前中から胃カメラ(上部内視鏡)20件、大腸内視鏡(下部内視鏡)12件、EVL(内視鏡的静脈瘤結紮術を1件施行し、夕方よりラパコレ(腹腔鏡下胆嚢摘出術)を行いました。
PPH法(痔核の最新治療法)のすすめ
国民的病気の「痔」はその種類もさまざまです
PPH法を開発したロンゴ医師(中央)が山王台病院を訪れ、その手技などについて検討しました。
「自分には痔の気がある」。日本人の成人のうち、そう思っている人が三人に一人はいると言われています。実際に検診を行ってみると、約七割の方に痔が発見されています。つまり、痔は虫歯に次ぐ、日本第二位の国民病というわけなのです。
痔とは、肛門と肛門周辺の病気の総称ですが、その病状によって種類もさまざまです。おおまかに分類すると四種類あります。まず、痔の中で一番多く、男女とも患者様の半分以上を占めるのが、いわゆる「いぼ痔」と呼ばれる痔核。痔核には、直腸側にできる内痔核と、肛門側にできる外痔核があり、内痔核が大きくなって脱出すると肛門側の痔核、つまり外痔核を伴うこともあります。もうひとつは「切れ痔」と呼ばれる裂肛。硬い便の排出や下痢によって肛門の出口付近が切れ、強い痛みを伴う裂け傷です。また、腫れ痔から引き続いて発症するもので膿の管が肛門の内から外へとでき、入口から細菌が入って化膿し、膿となって出口から出てくる痔ろう。さらに、肛門の周囲の皮膚にできた腫れが引いた後の皮膚のたるみで、他の痔に伴ってできる皮膚痔などが挙げられます。
本日の手術
本日は午前中外来をこなし、今から手術に入ります。
今日の手術は、直腸脱手術(PPH)とヘルニア手術の2件です。
抗がん剤も使えない医療保険は誰のもの
最近、抗がん剤治療を継続できず止めてしまう、がん患者が増えている。それは副作用や薬が嫌いなわけでもなく、何と経済的な理由である。大腸がんのある薬は負担金で月8万円を超す。それに検査料などを加えると十万円以上になる。患者は自分ががんであることは当然知っており、その薬の有効性も理解しており、再発や進行の恐怖と戦っているにもかかわらず、背に腹は代えられないということだ。
国民皆保険制度が整備される前の、患者が米や野菜を持ってきて何とか助けてほしいと懇願した「赤ひげ時代」は知る由もないが、現状には強い虚しさを感じる。医師は持てるものすべてを患者さんに捧げるのが使命であるべきで、そのことに何の疑問もないが、最高の医療をすべての国民に均等に提供するはずであった国民皆保険は、すでに終わったと言わざるを得ない。
腹腔鏡下手術(腹腔鏡手術)とは〜医療のルネッサンス〜
腹腔鏡下手術(腹腔鏡手術)とは、一言でいえば、できるだけ痛みがなく体に負担のかからない手術ということです。
外科治療は特に悪性腫瘍などに対しては根本治療として意味がある一方で、体に浸襲を及ぼす点で問題があります。その意味では腹腔鏡下手術は外科のルネッサンスと言えるでしょう。
この手術で何が出来るか
胆嚢結石、一部の胃癌や大腸癌、虫垂炎、脾摘、胃十二指腸潰瘍穿孔などと適応は拡大しています。時には腎・副腎の腫瘍の摘出も出来るようになりました。しかしほとんどが病変を摘出する手術です。ところが、ついに噴門機能障害という体の機能異常を正常に近い状態にもどす手術である噴門形成術をこの方法でできるようになったのです。
老いて死ぬことを忘れてしまった日本人
私は外科医であるが、今まで何枚の死亡診断書を書いただろう。これからまた何枚書くのだろうか。つまり、人が死ぬ場面に何回立ち会ったか、立ち会うかということである。
死亡診断書では、病死と自然死は同じ意味を持っている。つまり、病死は自然死であるが、日本人はこのことを忘れてしまった。
病死は自然淘汰ではなく、遅かれ早かれやって来る自然現象である。それが故に、人は瞬間瞬間を自分なりの意味を持った時を過ごす努力をしなければならない。