茨城手術手技研究会

7月10日(金)茨城手術手技研究会に参加してきました[:拍手:]

当院より1題発表致しました[:読書:]
「鏡視下アカラシアのpit fall」幕内 幹男
参加された皆様お疲れ様でした[:楽しい:]

腹腔鏡下噴門形成術

今週は、腹腔鏡下噴門形成術を1例行いました[:見る:]

そして当院の腹腔鏡下噴門形成術は124症例です[:嬉しい:]

当院では、術前と術後に問診させて頂きその結果からも高い評価を
頂いております。

茨城手術手技研究会

7月10日(金)に水戸で開催されます、茨城手術手技研究会の抄録です[:グッド:]

演題
「鏡視下アカラシアのpit fall」

演者
 幕内 幹男

抄録

食道アカラシアに対する鏡視下手術はcommon standardとなりつつある。
しかし、より安全な手術手技を習得するためには、噴門機能とその解剖学的理解が重要であり、pit fallを念頭において手術に向かうべきと思われる。
我々は、9例の食道アカラシアに対して鏡視下Heller-Dor手術を行ってきた。対象は16〜56歳、平均34.7歳、男性2女性7例。手術後成績は全例に症状の改善が診られ、最長8年の経過観察であるが、再発は認められていない。粘膜損傷が2例に診られたが、術中修復により術後合併症には至らず、また開腹移行は1例もなく術後入院期間は平均7.6日であった。筋層切開のポイントは、充分な食道遊離と慎重な操作にあるが、悩病期間やバルーンなどの手術前治療歴等が粘膜損傷に影響を及ぼすと考えられた。また、ブジーの挿入時期や損傷部位を確実に発見し縫合することが重要である。一方、Dor-wapping においては適切な幅のwapが重要と考えられる。それらの点を中心に、手術手技について検討してビデオで供覧する。

第221回 茨城外科学会

本日筑波メディカルセンターで開催される第221回茨城外科学会の抄録です。

演題名
鼠径ヘルニア術後疼痛例に対する新しいProsthesisの使用経験

演者 
  藤原 康朗

共同演者
  幕内 幹男、笹屋 昌示、上道 治、佐々木 健、室伏 雅之、
  山内 昌一郎、高橋 愛樹

 
抄録 

 我々は最近10年間に370例の小児含む鼠径ヘルニアに対して根治手術を施行した。術式はMesh Plug法249例(うちBard社製248例、Atrium社製Proloop1例)、?lipubic tract repair 100例、Kugel法6例、PHS法1例、小児に対するPotts法14例であった。2001年からはほとんどの症例でBard社製メッシュプラグを用いた手術を施行してきた。
 再発は3例で、合併症はゼローマ5例、創感染1例、術後創痛3例であった。再発症例にはプラグ交換などの再手術を、ゼローマ、創感染は保存的に軽快した。しかし、創痛の3例中2例は1週間目でメッシュプラグからATRIUM社製プロループ、1例は43カ月後に同じくプロループに交換し、3例とも再手術直後より軽快した。
 成人型鼠径ヘルニアに対しては1989年 Lichtenstein が提唱したprosthesis の術式が急速に普及し現在に至っている。それに伴い再発率は減少したが、時に術後創痛例に遭遇する。
 今回我々は2006年に開発された鳥の巣状の比較的柔らかいプロループに変えることによって、全例に術後創痛は改善された。再発率の問題は日本においては未だにデータは少ないが、選択すべきprosthesisの一つとして考えられたので検討して報告する。

演題名
閉塞性大腸炎合併直腸癌に対する一治験例

演者 
  上道 治

共同演者
 
  幕内 幹男、笹屋 昌示、藤原 康郎、佐々木 健、室伏 雅之、
  山内 昌一郎、高橋 愛樹

抄録 

 症例は72歳男性。下腹部痛を主訴にER受診。大腸癌イレウスの診断で緊急入院となった。翌日にpre-shockとなり横行結腸に双口式人工肛門を造設した。術後、イレウス症状は改善するも、腹痛、炎症反応が遷延したため閉塞性大腸炎の合併が疑われた。注腸造影を行ったところ、横行結腸左側から直腸癌腫まで広範囲で著明な狭窄を認め、内視鏡検査でも同様に、狭窄と粘膜の浮腫、不整、壁伸展不良を認め、虚血性大腸炎様の所見であった。大腸炎の改善を待って低位前方切除術を予定したが、1か月経過しても、狭窄は更に進行し、線維性硬化像となった。その為、やむなく初回手術より第47病日目に横行結腸人工肛門左側から直腸癌までの結腸左半切除を行った。再建は、腹部動脈の高度な硬化像よりNOMIの病態の合併も考慮し縫合不全のリスクを回避すべく、Hartmann手術を選択した。閉塞性大腸炎は、時として結腸大量切除を余儀なくされることもあり、本症例の病態及び術式の選択に関し若干の文献的考察を加えて報告する。