全体研修会 御報告

7月11日(日)うきうきマイスターにて
第7回幕内会全体研修会を開催致しました。[:星:]

各部署とも工夫を凝らしたスライドで、テーマについてそれぞれの視点より発表しそれに対する質問が飛び交いました。
更に、特別講演には株式会社伊藤園 専務取締役 齊藤昭一様をお招きし、『経営を支える現場力』についてお話を頂きました。
職員一同、切磋琢磨し勉強を続けて行きたいと思います。今回のテーマに沿った研修ができ、かなりいいものになったと思います。


第72回日本臨床外科学会

H22年11月22日〜23日にパシフィコ横浜にて第72回日本臨床外科学会の開催が予定されています。

今年度も当院より2演題を応募させて頂きました。[:おてんき:]

演題
胃食道逆流症に対する鏡視下噴門形成術130例の検討―手技の安定化を目指して―

演者
笹屋昌示

抄録
我々は、最近11年間で130例の胃食道逆流症に対して鏡視下噴門形成術を施行した。対象は、男64女66例、22〜83平均53.1歳で、逆流症状のアンケート問診票(Fスケール変法)の高スコア、PPI抵抗、巨大ヘルニアに伴う心肺機能障害例などを適応とした。術式は、Toupet法129例、Nissen法1例で、ポイントはwrappの長さや程度及び裂孔の適度な縫縮と、gastropexyによる滑脱の防止等にあるが、術後早期のつかえ感と長期的に診たwrappの緩み及び短食道例の胸腔内への引き込みである。合併症は、皮下気腫4、気胸4、脾被膜出血2、胃チューブの縫着1例で開腹移行はなかった。手術時間は107〜358平均192.1分、入院期間は3〜23平均8.6日であった。症状の改善をスケール・スコアによって評価すると、術前平均21.7に対して術後3ヶ月以内で3.8、3ヶ月以後0.9と極めて改善が得られた。しかし、術後初期のつかえ感10例に対して内視鏡的バルーン拡張術を、術後数ヶ月を経過した5例にPPIを一時的に再開、1例に継続投与を行なっている。またクル病合併短食道例にヘルニアの再燃を認めた。同術式は、症例の積み重ねによって確立しつつあるが、術後早期のつかえ感と逆流症状の再燃のバランスにあり、つかえ感は若年、再燃は高齢者に多い傾向にあった。術式には年齢、体格、短食道例などを考慮した個々への工夫が必要と思われ、更に適切な術式とトレーニングによる安定化について検討して報告したい。

演題
PPHを応用した内痔核、直腸脱に対する手術手技の工夫―465例の検討―

演者
上道治

抄録
PPH法は当初running sutureの高さが一定せず、多種の肛門疾患に充分な対応ができず、術後の疼痛や再発などを少なからず経験した。しかし、手技の工夫及び熟達によって、比較的重度の内痔核及び直腸脱に対しては、他法に比してよりよい適応症例があると考えられた。(1)100%透明フードを肛門管に挿入し、脱出先進部に全周性に一定の高さのsuture lineになるようにマーキングすること(2)均一に粘膜を環状に切除することとanvilの確実な挿入の為sutureに3針固定糸をかけて牽引すること(3)内痔核脱出では症例によってLAを追加すること(4)直腸脱の著明な症例や括約筋が緩い場合はThiersch法を追加するなどの工夫をしている。我々は平成11年よりPPH法を導入し、上記の工夫をし379例に施行した‐PPH群。対象はPPH群は、PPH単独185、PPH+LA188、PPH+Thiersch6例であり、またLA単独、ALTAその他の非PPH群は87件で、合併症、成績について比較検討した。合併症は、PPH群で再発3、術後出血4の計7例(1.8%)、非PPH群は再発2、出血1、直腸周囲膿瘍1、肛門狭窄1の計5例(5.8%)であった。成績は、症状問診スケール・スコアによって評価すると、PPH群で術前平均19.9、術後3カ月以内6.2、3ヶ月以上4.5と有意に低下した。入院期間は、H17年以降ではPPH群2.6日、非PPH群2.3日と差はなく、安全性及び成績においてPPHを応用した上記手術はほぼ確立された。

第7回 幕内会 全体研修会(その4)

定期的に行っております全体研修会も、今回で7回目を迎えることができました。
そこで研修会の歴代のテーマを御紹介したいと思います。[:よつばのクローバー:]

第1回 平成16年6月27日
テーマ 『各部署業務の説明、問題点・目標を考える(取り組むべきこと)』
特別講演 大久保病院総看護師長 増田いづみ 『ISO認証取得の効果』 

第2回 平成17年4月25日
テーマ 『各部署による全スタッフに向けての講習会』
特別講演 昭和大学統括看護部長 塚原恭子 『サービス業としての医療』

第3回 平成17年11月20日
テーマ 『5年10年を見据えて幕内会の発展を考える』
特別講演 元国立水戸病院院長 渡辺晃(外科の神様)『低温麻酔の歴史』

第4回 平成18年6月18日
テーマ 『医療・介護・福祉の経済論〜各部署の効率性・経済性〜』
特別講演 医療法人幕内会 幕内幹男 『幕内会における経済論』

第5回 平成19年4月1日
テーマ 『現在求められる医療・福祉とは何か〜そして未来へ(近い未来)〜』
特別講演 癌研究所病院顧問 昭和大学名誉教授 藤田力也 『内視鏡医療と国際貢献』

第6回 平成21年1月18日
テーマ 『幕内会の今後(近未来)の役割と方向性→strategy』
特別講演 石岡市消防署 消防司令補 『救命救急の現場から』

第7回 平成22年7月11日
テーマ 『幕内会が地域に貢献できること−急性期医療・慢性期医療・介護の方向性−−超高齢社会に向けて・老いとは何か−』
特別講演 株式会社伊藤園 専務取締役 齊藤昭一 『経営を支える現場力』

第224回茨城外科学会

7/3(土)日立総合病院にて第224回茨城外科学会が行われ、当院より2演題発表して参りました。

演題「脾嚢胞に対する鏡視下脾臓摘除術の一治験例」
演者 藤原康朗

演題「巨大直腸GISTの一治験例」
演者 上道治

その他、今回もたくさんの先生方より発表があり、稀な症例発表や情報交換の場としてとても有意義な会でした。[:ひらめき:]