茨城手術手技研究会

2008年6月28日(土)
第218回 茨城外科学会が鉾田市 ザ・ローヤルオーシャン 会議室にて行われ、山王台病院より2演題の発表をしてきました。

第218回 茨城外科学会

演題名      食道アカラシア症術後食道癌合併症例に対する一治験例                 
所属       山王台病院
口演者      幕内 幹男 
共同演者    佐々木健、上道治、増田栄司、笹屋昌示、新田正光
          中村 明浩、松本元一、金森直明、高橋愛樹

抄録
 食道アカラシアの食道癌合併例の報告は2〜9%とされ正常者の7倍で、平均年齢も50歳台と一般食道癌より若い傾向にある。
癌合併の機序として唾液、食物内容の停滞による慢性の粘膜炎症性変化といわれているが、それならば通過障害の解除が早期にされた否かが関与することとなる。
1983年の全国集計でアカラシア1358例中 48例に癌がみられ、その33例はアカラシア未手術例であり、その50%はUt腫瘍型に対して15例の既手術例はMtらせん型であったとされ、アカラシアの病態が癌発生に関与することが示唆される。しかし、今回我々は食道アカラシア既手術食道癌合併例を経験したので検討して報告する。
症例は、51歳男性、1年間の悩病後H16年11/10 grade?の食道アカラシアに対して鏡視下Heller-Dorを施行。H20年3月の検診にてMtに22×20?の?a型の食道癌を指摘され、EUSで深達度sm3〜mpと診断し、4/23右開胸下に胸部食道全摘術(mp massive pm(-) dm(-) lyo vo no st ?)を施行した。
     

 演題名     臨床経過より鏡視下手術に踏み切った閉鎖孔ヘルニアの一例                     
所属      山王台病院
口演者     笹屋 昌示         
共同演者    幕内幹男、佐々木健、上道治、増田栄治、新田正光、
          中村明浩、松本元一、金森直明、高橋愛樹                      
抄録
 閉鎖孔ヘルニアの嵌頓及び整復後待期手術症例は近年の高齢化、画像診断や鏡視下手術の進行によって比較的散見されるようになった。
しかし、今回我々は嵌頓状態は明確に証明されず、臨床経過より同ヘルニアの嵌頓の繰り返しと判断し、確定診断を含めた腹腔鏡を施行し、根治手術を行う事ができた症例を経験したので報告する。
症例76歳女性、本年2月頃より左大腿内側に痛みが出現するようになったが、短時間で軽快していた。3/26同部に激痛が出現し近医整形受診、症状軽快後であったこともあり、血管外科受診を勧められ当院受診。しかし血管に問題はなく、同様に神経痛と診断されたが、5/5再度激痛、失神状態にて救急搬送先より当院に転送、再び確定診断に至らず5/7消化器科受診となる。
上記経過よりハウシップ・ロンベルグ徴候を疑い、CTscanを施行したところ、左側の閉鎖裂孔が開大しsacと疑わせる脂肪織を含む組織を同部に認め閉鎖孔ヘルニアを強く疑った。  
                          
  

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