244回 茨城外科学会

久々のブログですが、
稀な腸腰筋内腫瘍の手術症例を経験しましたので10月の茨城外科学会にエントリーしました。文献的な考察を加えて報告しますが、内容につきましては追ってブログに掲載します。
抄録は下記の如くです。

演題:

「腹部腫瘤にて発見された巨大腸腰筋内腫瘍の一手術例」

抄録:
35歳女性、主訴は心窩部痛、左下腹部膨満感、右下腹部に弾性硬の腫瘤を触知、腹部エコーにて腸腰筋内に147×86×93?のlow echoicで境界明瞭、内部は不均一で一部嚢胞と充実性な部分を有する巨大なtumorを認めた。造影CTでは、左尿管、卵巣動静脈は右腹側に著明に圧排、腫瘍は水よりやや高濃度、造影MRIではT1W?で均一低信号、T2W?で不均一高信号、CT同様造影効果に乏しく神経原性腫瘍、リンパ管腫、血腫などが疑われた。全身検索にて他臓器に腫瘍性病変は認めず、画像上は良性腫瘍を疑わせたが、大きさ、症状より摘出術の適応と判断した。
手術は側腹部より腹膜外に腫瘍に達した。薄い被膜を有し、周囲との癒着は軽度、栄養血管は明確ではなく、完全摘出術を行うことができた。
病理組織学的診断では良性の神経線維腫であった。腸腰筋内同腫瘍の報告は、von Recklinghausenなどの基礎疾患を有するものはあるが、基礎疾患のない成人の報告例は極めて稀であり、文献的考察を加え報告する。

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