第18回茨城消化器外科治療研究会

第18回茨城消化器外科治療研究会が6月10日(金)19:00〜水戸プラザホテルにて開催されます。
今年も演題を出させて頂きました。

演題:高齢者噴門機能障害に対する対応
   -鏡視下根治術175例の経験を踏まえて-
演者:幕内 幹男

抄録
 我々は過去15年間に胃食道逆流症・食道裂孔ヘルニア(GERD)159例、食道アカラシア症16例の噴門機能障害に対して外科的アプローチとして鏡視下手術を合計175例施行した。GERDに対しては、Toupet 158例、Nissen 1例、食道アカラシアは全てHeller-Dorを行った。その内70歳以上の高齢者はGERDで35例/159例(22.0%)食道アカラシアで2例/16例(12.5%)全体で21.1%であった。高齢者群はGERDでは円背症例が多く、巨大裂孔ヘルニアが8例/35例(22.9%)と全体の10例/159例(6.3%)に比べて多いのが特徴的であった。また、食道アカラシアは病態より若年発症がほとんどであるが、高齢者の特徴として、食道運動機能の低下、食道拡張、LESの不完全弛緩、更に身体機能低下に伴って根治術を躊躇する症例が多かった。成績は、開腹移行及び大きな術後合併症はなかったが、GERDで1例に再発を認めた。アンケートによる満足度はGERDで94.9%、食道アカラシアで100%であった。非高齢者群と比較して高齢者でも積極的に行える術式と思われたので報告する。

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