第8回医療法人幕内会全体研修会 御報告

6/26(日)うきうきマイスターにて、第8回医療法人幕内会全体研修会を行いました。

この度の地震は、当法人にとって及び私自身にとっても経験のない大きな揺れで、私は手術中でしたが身の危険を強く感じました。
その後、手術室を出ると山王台病院中外、あいあいはパニック状態でしたが、各部署においてスタッフの冷静な対応には逆に驚かされ感激と感謝の気持ちを抑えられない程でした。
幸い、患者様・入所者様そしてスタッフに大きなケガもなく、山王台病院、あいあい、眼科・内科クリニック、たなごころ、うきうき、そして小美玉市医療センターの施設設備も日常の運営が可能と判断しました。
しかし、人工透析は、2日間他院にお世話にならざるを得ず、大変残念でした。Risk managementにはいろいろと対策を講じていたつもりでしたが、長期化する水・電力の供給のストップの面で大きく反省しており、今後につなげたいと既に対応しております。また、スタッフ・市民・行政とともにしっかりしたネットワーク作りを検討する必要があると思います。

毎年恒例の全体研修会にて今回の震災のRisk managementをテーマとし、反省と対応について検討しました。非常に有意義な研修会だったと思います。その内容についてブログで御報告します。
まだまだ対応することは山ほどありますが、当法人としても頑張って参りたいと思います。我々も被災地でありますけれども、さらに被害を受けた方々や、亡くなった方に敬意を表し黙とうを捧げたいと思います。

幕内幹男 発表

第73回日本臨床外科学会

 H23年11月17日(木)〜19日(土)に東京都新宿区にあります京王プラザホテルにて第73回日本臨床外科学会の開催が予定されています。

 今年も当院より2演題を応募させて頂きました。[:おてんき:]

演題 巨大食道裂孔ヘルニアに対する新しいHiatal Meshの使用経験

演者
笹屋昌示

抄録
我々は、最近12年間で138例の胃・食道逆流症に対して鏡視下噴門形成術を施行した。
対象は、男68女70例、22〜83歳平均52.8歳、若年男性、高齢女性の傾向にあった。術後の合併症においては、皮下気腫4、気胸4、脾被膜出血2、胃チューブの縫着2例が診られたが、開腹移行例はなかった。
 術後成績は、症状改善度を問診スケール・スコアで評価すると、術前平均21.7に対して、術後3ヶ月以内で3.8、3ヶ月以降で0.9と極めて改善が得られた。しかし、術後6ヶ月を経過した7例にPPIの再投与を行っていた。内訳は、4例が一時的な逆流症状の再燃による症状出現時のみの投与で2例の滑脱と2例のwrapの緩みであった。3例は継続投与であったが、その内1例はwrapの緩みで、2例は短食道タイプの滑脱の再発で1例に対して再手術を行った。
 症状再発の原因はwrapの緩みとherniaの再発にあるが、1.裂孔の充分な縫縮2.wrap胃とhiatusの縫着(shoulder stitch)3.下縦隔に至るまでの食道の充分な剥離によって、最近の症例では徐々に克服されつつある。しかし、・巨大なhernia・右脚の脆弱・高齢者・短食道症例は、herniaの再発のrisk factorと思われる。
 この度up side down typeの巨大herniaに対してhiatal mesh専用のコヴィディエン社製パリッテックスコンポジットを本邦で初めて使用したので、その使用手技を中心にビデオで供覧し、今後の再発防止に繋がるものかどうか、また適応症例について考案し報告する。

演題 PPHを応用した内痔核、直腸脱に対する手術手技の確立
           ―507例の検討―

演者
上道 治

抄録
我々は平成11年よりPPH法を導入し、下記に示す手術手技を確立し410例に  施行した(PPH群)。
対象:PPH群は、PPH単独188、PPH+LE216、PPH+Thiersch6例であり、またLE単独、ALTAその他の非PPH群は97件で、合併症、成績について比較検討した。
 PPH法はrunning sutureの高さが一定化しないと多種の肛門疾患に充分な対応ができず、術後の疼痛や再発などを惹起する。しかし、手技の工夫及び熟達によって、比較的重度の内痔核及び直腸脱に対しては、他法に比してよりよい適応症例があると考えられた。
(1)100%透明フードを肛門管に挿入し、脱出先進部に全周性に一定の高さのsuture lineになるようにマーキングすること
(2)均一に粘膜を環状に切除することとanvilの確実な挿入の為sutureに3針固定糸をかけて牽引すること
(3)内痔核脱出では症例によってLEを追加すること
(4)直腸脱の著明な症例や括約筋が緩い場合はThiersch法を追加すること
などの術式を行っている。
合併症は、PPH群で再発3、術後出血5の計8例(1.6%)、非PPH群は再発3、出血1、直腸周囲膿瘍1、肛門狭窄1の計6例(6.1%)であった。
成績は、症状問診スケール・スコアによって評価すると、PPH
群で術前平均19.9、術後3カ月以内6.2、3ヶ月以上4.5と有意に低下した。入院期間は、H17年以降ではPPH群2.5日、非PPH群2.4日と差はなく、安全性及び成績の両面においてPPHを応用した上記手術はほぼ確立された術式と思われる。

第13回茨城消化器外科治療研究会 

6/24(金)開催予定の第13回茨城消化器外科治療研究会へ演題を応募致しました。その抄録になります。

演題   巨大食道裂孔ヘルニアに対する新しいHiatal Meshの使用経験
演者  幕内幹男

我々は、最近12年間で138例の食道・胃逆流症に対して鏡視下噴門形成術を施行してきた。術後の合併症においては、皮下気腫4、気胸4、脾被膜出血2、胃チューブの縫着1例が診られたが、開腹移行例は0であった。
 術後成績は、症状改善度をスケール・スコアで評価すると、術前平均21.7に対して、術後3ヶ月以内で3.8、3ヶ月以降で0.9と極めて改善が得られた。しかし、術後6ヶ月を経過した7例にPPIの再投与を行っている。内訳は、4例が一時的な逆流症状の再燃による症状出現時のみの投与、3例が継続投与であったが、その内1例の滑脱の再発よる症状の再燃に対して再手術を行った。
 症状再発の原因はwrapの緩みとherniaの再発にある為、?裂孔の充分な縫縮?wrap胃とhiatusの縫着(shoulder stitch)?下縦隔に至るまでの食道の充分な剥離によって、最近の症例では徐々に克服されつつある。しかし、・巨大なhernia・右脚の脆弱・高齢者・短食道症例は、滑脱のrisk factorと思われる。
 この度up side down typeの巨大herniaに対してhiatal mesh専用のコヴィディエン社製パリッテックスコンポジットを本邦で初めて使用したので、その使用手技を中心にビデオで供覧し、今後の再発防止に繋がるものかどうかについて考案したい。

発表当日につきましては、後日御報告致します。

被災地訪問

6月11日、12日と2日間、宮古市を中心に三陸被災地を訪れました。

今回の目的は、1に宮古市内にある大学の同級である松井正之博士の産婦人科診療所を訪問し、彼の奇跡的な生存を確認し、被災時の状況やその後の対応についての苦労話を聞くこと。

2に、この度当院も人工透析の被災時の対応においては、水、電気、交通網のトラブルに大変苦労したわけでありますが、それ以上に厳しい状況下にあった宮古市の透析施設の現状と対応について後藤泌尿器科・皮膚科医院の院長であり、日本透析医会岩手支部長の後藤康文博士にお会いし、色々と御苦労話とその対応について御教授頂くこと。

3に、この未曾有の東北地方太平洋沖地震の三陸地域の被災の実情を直接目に収め今後の我々の成すべきことについて考える情報を得ること。

その3つの目的の私の成果については改めて報告書を作成している段階でありますが、まずはお二人の先生に色々とお世話になったことに感謝申し上げる次第であります。
松井博士においては特に心身共に元気であり、意欲的な表情に見えて心から安心しました。
後藤先生は、その稀にみるリスクマネージメントに対する理念とその実行力には驚嘆し、目からウロコであり、尊敬の念を禁じ得ない心境であります。先生は何十年に渡って今回の震災を予測すべく数々の思索をこうじていたことによって、震災の状況下において1日も人工透析を中断すること無く継続することができた訳で御座います。その詳細については私が述べるに至るものではありませんが、お許しを得て後日ブログで紹介させて頂きます。とりあえずお二人に感謝…。


後藤先生と後藤泌尿器・皮膚科医院にて


久しぶりの再会

S-TEC近況報告(4)

 先週末に行われたS-TECのシミュレーションは外科医を目指す昭和大学医学部6年生の学生さんが実施しました。講師の医師の下、基本的な内視鏡手術の鉗子操作や吻合のトレーニングを行いました。

 S-TECは、オープンシステムとなっており、外科・内科の先生方、看護師、技師等広く研修の門戸を開いております。また、手術手技の内容も広範囲で受け入れ可能です。お問い合わせお待ち致しております。

お問い合わせ
TEL 0299-56-3612
FAX 0299-56-3613

(医療法人幕内会 山王台病院 附属眼科・内科クリニック 小美玉市医療センター S-TEC昭和大学 山王台病院 医療技術・内視鏡手術トレーニングセンター 介護老人保健施設あいあい 小規模多機能型介護施設たなごころ うきうきマイスター 痔核 逆流性食道炎 茨城県 石岡市)

S-TEC近況報告(3)

 6月に入り、週末を中心に多くのご予約を頂いております。ご利用されている先生方の中にはリピーターの方もおり、好評を頂いております。

 S-TECは、オープンシステムとなっており、外科・内科の先生方、看護師、技師等広く研修の門戸を開いております。また、手術手技の内容も広範囲で受け入れ可能です。お問い合わせお待ち致しております。

お問い合わせ
TEL 0299-56-3612
FAX 0299-56-3613

(医療法人幕内会 山王台病院 附属眼科・内科クリニック 小美玉市医療センター S-TEC昭和大学 山王台病院 医療技術・内視鏡手術トレーニングセンター 介護老人保健施設あいあい 小規模多機能型介護施設たなごころ うきうきマイスター 痔核 逆流性食道炎 茨城県 石岡市)

第30回石岡消化器疾患懇話会 御報告

先日6/3(金)第30回消化器疾患懇話会が行われました。
今回は当院より4名が参加し、藤原医師が幹事を務めさせて頂きました。

発表を予定していた2演題、
『診断に難渋した胆道疾患の1治験例』
『巨大食道裂孔ヘルニアに対する新しいHiatal Meshの使用経験』

も無事に発表を終え、参加された先生方の発表、意見交換等とても有意義な時間となりました。
これからも参加や発表を続け、交流を深めて地域に根付いた医療を盛り上げていきたいと思います。