2024年 新年のご挨拶

旧年中は、一方ならぬご厚情を賜り誠に有難うございました。今年もどうぞ宜しくお願い致します。さて、本年は当法人にとりまして、新たに展開していく年になります。 4月頃、現在建築中の介護老人保健施設あいあいが完成し、新築移転により、 新あいあい として運営して参ります。また 移転後の建物 を改装し、 秋頃には 山王台病院 と石岡共立病院を統合し 山王台病院 172床 (一般127床 療養45床) に拡張して、更に充実させて 微力ながら 地域医療に貢献して参りたいと思いますのでどうぞ宜しくお願い致します。                

<新あいあい>  地上3階建て 延床面積 3,926㎡  入所100名 通所100名

 

令和4年新年のご挨拶 2/1石岡共立病院開設のご挨拶

明けましておめでとうございます。昨年は新型コロナのパンデミック、コロナワクチン接種の実施などいろいろな事があり、改めて地域医療の重要性を考えさせられた1年でした。

本年は、当法人にとって大きなイベントがあります。旧石岡市医師会病院の後、 2月1日に 医療法人幕内会山王台病院附属 石岡共立病院を開院する運びとなりました。開院にあたっての思いを以下に綴りましたのでご一読いただけましたら幸いです。

―石岡共立病院設立にあったってのご挨拶-
令和4年2月1日開院予定

土浦医療圏である石岡市は、土浦市の病床がほとんどで、石岡市は相対的に病床が不足しているのが現状です。そのうち120床を担っていた旧石岡市医師会病院が運営継続困難となり、貴重な病床が失われてしまう危機にありました。何とかこの120床を残すべく、「地域医療に係る対策を検討する専門委員会」が令和元年7月立ち上がりました。この専門委員会で令和元年11月に最終案として、石岡市医師会病院と石岡第一病院の統合と、それに伴う幕内会への40床配分の統合再編計画の方向性が決まりましたが、令和2年の3月に開催された石岡市議会定例会議にて予算が否決され、続く令和3年2月に統合計画から地域医療振興協会が辞退の申し出を受けて、石岡市はこの統合計画の中止を発表しました。
 こうした経緯をうけ、このままでは本当に石岡地域から120床がなくなってしまうという強い危機感から、当法人として何とか病床を残せないものか石岡市医師会と協議を重ね、石岡市医師総会の承認を経て、8月12日当法人への譲渡契約が成立しました。
 今までの石岡市医師会病院の運営から見ても、大変難渋な道であると覚悟はしておりましたが、当法人としても先人の抱えていた諸問題、地域性、老朽化した施設設備に加え、厨房設備もない状況を目の当たりにして、当初途方にくれる思いがしました。
しかし何とか休床期間を短くするため出来るだけ早い段階での新規開院ができるよう準備に奔走しました。
当法人の医療資源の活用はもちろんのこと、新たなる医師、看護師等の人材確保、高度医療機器の導入を行ってまいりました。老朽化した建物や設備をボランティアの方々に助けられ、我々スタッフ全員で清掃、補修を致しました。このような過程を通じて新病院を共に愛しみ、是非成功させたいという気持ちが強く芽生えて来ました。
診断機器につきましては、16列マルチスライスCT、高性能マンモグラフィー、X線透視装置、腹部超音波、乳腺超音波、心臓超音波、骨密度測定器、高性能細径胃・大腸内視鏡検査機器を新規採用致しました。
また人間ドック、健診センターは、旧石岡市医師会病院同様の体制で行うこととなりました。
まだまだ診療体制を含め諸準備不充分ではございますが、令和4年2月1日をもって開院に至ります事をご報告致します。
今後は、石岡の地域の診療に微力ながら貢献出来ますよう努力してまいる所存でございます。
何卒、宜しくお願い申し上げます。

末筆ながらこの事業は、依然として先人たちが抱えていた、地域性、建物の老朽化等については大きな課題を残したままの非常に厳しい状況にあります。かといって、この病院が保有する120床を、万が一失う状況になったとしても、これまでの経過の通り石岡市を含めて行政が運営の受け皿となることは無いと言っても過言ではありません。こうした厳しい状況の中、皆様のご期待には応えたいのですが、それに沿う事ができるかどうか難しいのが現状です。舵取りを迫られる局面に立たされた場合、運営の効率、人材・医療・資源の統一面を鑑み、病床数を残していくため、山王台病院と統合することを考えております。ただ外来は、このまま継続できるよう努力目標としていきたいと考えておりますので、どうかこうした事情をご理解頂ければ幸いです。

医療法人幕内会 理事長  幕内 幹男

日本臨床外科学会

本年度の日本臨床外科学会へ演題を応募致しました。

その抄録になります。

演題 下大静脈・腎合併切除によって切除し得た右副腎隣接巨大paraganglioma の1例 
演者 上道 治

症例は48歳男性、主訴は右上腹部痛。CT、MRIで右副腎に隣接したφ10cmの巨大腫瘍を認めた。CT angio で腫瘍は下大静脈を後腹膜より著明に圧排、浸潤を強く疑わせ、下副腎動脈及び腎動脈背側枝をfeederとするものであった。尿中VMA(+)にてfunctional tumorは否定を疑わせたが、高血圧は認めず質的診断には至らなかった。画像にmalignancyを強く疑い右副腎に加え右腎及び下大静脈を合併切除し、肉眼的に完全切除し得た。下大静脈浸潤部が腎静脈頭側にあったが、clamp後左腎静脈圧の上昇はなく、V-V shuntを行わずに合併切除、形成縫合した。病理所見はmalignant paraganglioma、下大静脈浸潤(+)であった。paragangliomaは、稀な傍神経節由来の腫瘍であり、後腹膜腫瘍中2%程度と報告されている。同腫瘍の良性悪性の病理所見による明確なcriteriaは確立しておらず、他臓器浸潤のある例は臨床的悪性度が高いとされ、また、非根治的切除例の5年生存率は19%と極めて不良と報告されている。今回我々は、これらを踏まえ上記の如く下大静脈を含めen bloc切除をすることができたparagangliomaを経験した。下大静脈合併切除に対しては、腎静脈上での血行遮断にはBioPump等によるV-V shuntが推奨されているが、我々は、腎静脈圧が40mmHg以下の場合は、精巣静脈等の側腹血行によって40分程度であれば障害がないことを提唱しており、今回、腫瘍の性質及び切除方法等について文献的考察を含め報告する。

幕内幹男の医療ブログとは

 このブログによって、私と私どもの施設(医療法人幕内会「山王台病院」・介護老人保健施設「あいあい」・山王台病院附属「東クリニック」・障害者・人間・生活・労働社会参加サポートセンター「うきうきマイスター」・小規模多機能型居宅介護支援事業所「たなごころ」)の情報を皆様にいち早く知って頂けるよう、日々の診療の合間に作成する所存です。
 筆不精ですが、一生懸命書きますので是非ご一読下さい。